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北朝鮮大飢饉の恐れ 国連緊急援助求める

2011年07月05日

 

【新唐人日本20117月6日付ニュース】北朝鮮の食量難が深刻化しています。スイス開発協力機関によると、北朝鮮当局の食料配給が激減したため、市民は草などで飢えをしのいでいます。
 
スイス開発協力機関のゼルウィガー氏によると、海外援助の激減や国際食糧価格の高騰により、北朝鮮のここ1年半の配給は半分に減り、一部地域では一人あたり一日平均150グラムしかないそうです。
 
北朝鮮の人口は2400万人。過去数十年間、食糧は国からの配給でした。90年代以降は食糧難で100万人以上が餓死しました。
 
ゼルウィガー氏は、北朝鮮各地で栄養失調の子供が更に増えたのを目撃したと述べました。木の根や草を食べて飢えをしのいでいるといいます。
 
オーストラリア放送協会(ABC)は27日、北朝鮮のジャーナリストによる隠し撮り映像を公開。中には、党幹部が露天商から軍用米を徴収している場面もありました。兵士の半分が栄養失調だそうです。
 
映像に映り出された市場で物乞いをする子供たち。ほとんどは孤児です。しかし、渡す食べ物はありません。大人も飢えているのです。
 
ある8歳の男の子が隠し撮りしている記者に教えてくれました。父親が亡くなって母親にも捨てられたので、街頭で野宿するしかないそうです。
 
北朝鮮問題に詳しいアジアプレスの石丸次郎さんによると、以前は軍人を最優先していたが、今では兵士たちの食料さえ供給できていないそうです。ラジオ・フリー・アジアによると、北朝鮮当局は中国からの家畜飼料を軍人に配っているそうです。
 
飢えに耐え切れず、人肉を食べる事まで発生しています。北朝鮮保安部門の内部機密資料によると、ある警備員が同僚を殺害して一部を食べ、残りを羊肉と偽って市場で売ったそうです。韓国の“中央日報”が6月20日報道しました。
 
北朝鮮は去年、深刻な洪水と1945年以来の厳しい冬に見舞われました。韓国の農業専門家によると、北朝鮮では今年150万トンの食糧が不足しています。
 
国連緊急救援コーディネーターのアモス氏によると、北朝鮮の救援には2億1千万ドルが必要。現在集まった資金は2割未満です。北朝鮮の核開発および昨年の韓国への砲撃事件を受け、国際社会が食糧支援に慎重だといいます。
 
韓国政府は2000年より、毎年50万トンの米を支援。2008年李明博大統領が就任後、対北朝鮮無条件援助をストップ。去年の“天安(チョナン)号事件”後、韓国は対北朝鮮貿易と援助をストップしました。アメリカや国連も制裁を行っています。
 
韓国は援助の条件として、天安(チョナン)号事件と延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件の謝罪を求めていますが、北朝鮮は拒否しています。
 
食糧難が続く中、米韓は北朝鮮の戦争発動や核実験を案じています。6月25日、朝鮮戦争61周年記念式典で李明博大統領は、中国も北朝鮮が再び挑発した場合援助の断絶を示したと述べました。
 
4月26日、アメリカのカーター元大統領など各国の元首経験者4人が北朝鮮を訪問。大統領退任後国連人権高等弁務官に就任したアイルランドのロビンソン前大統領、フィンランドのアハティサーリ前大統領、ノルウェーのブルントラント元首相が同行しました。
 
カーター元アメリカ大統領 カーター氏
「彼らが制裁しているのは北朝鮮の人民、最も苦労しているのも人民で、指導者の苦労は最も少ない、北朝鮮の人民は過去50年で、外部と貿易を行う、多くのルートを奪われ、経済に大きなダメージを受けている」
 
北朝鮮は欧米や韓国だけでなく、ジンバブエなどの貧しい国にまで食糧援助を求めています。チェコなどは援助を拒否しました。
 
国連の今年3月の推定によると、北朝鮮では610万人が深刻な食糧不足に陥り、3割の児童が発育不全、4分の1の生育適齢期の女性が栄養失調。
 
最近の配給量は、生きるために必要な食糧の4分の1しかないそうです。特に飢餓状態にある子供や女性は、緊急支援を必要としている、と国連は呼びかけています。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
(中国語)
 
 
 

 

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